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以前から興味があり、一度は訪れてみたいと夢みていたグアテマラのティカルへ行ってきた。ティカルはグアテマラ北部のジャングルの中に広がるマヤ最大級の遺跡群である。ゆっくりと遺跡を見学し、なおかつグアテマラ人の生活にも触れてみたいと思っている欲張りばりな私と友達の2泊3日ティカル珍道中を今回は紹介しよう。
旅の一日目の朝、集合場所にてツアー会社の空港送迎の車を待つ。いかにも人の良さそうな小太りなおじちゃんが現れ、私達をバンに乗せてカンクンの空港まで送ってくれた。車の中では私達が利用する今回のツアーの説明を受け、さらにクーポンと航空券をそのおじさんから受け取る。「楽しんでおいで」と見送るおじちゃんと別れ、いよいよ出発!!といった感じで空港カウンターに向かう。チェックインを済ませ、空港内で飛行機の搭乗開始の合図を待っていたのだが、搭乗時間になってもまた出発時間なっても一向に指示がない。ゲート変更のアナウンスもなかったはずだと、自分の中で確認していたところやっと搭乗手続きが始まった。この時点で、この旅の不安が少し頭を過ぎった。
出発ゲートからバスに乗り、私達の利用する47人乗りのプロペラ機が待つ場所まで移動する。機内には、乗客はたった7人。たぶん皆ティカル遺跡を目的とした乗客であろう。出発予定時刻より少し遅れて離陸した飛行機は、わずか1時間半でティカルに一番近い国際空港(!?)がある町「サンタエレ−ナ」に到着した。なぜ!?マークが付いたかというと、この空港がまた本当に国際空港?と疑いたくなるほど小さくて田舎くさいのだ。というかサンタエレーナは、誰が見ても正真正銘の田舎町である。
空港到着後、すぐに迎えの車でホテルに向かう。ホテルについて一息入れた後、私達は早速、世界中の遺跡フリーク達がティカル見学の拠点にするサンタエレ−ナとフローレスという2つの町へ繰り出すことにした。フロ−レスはペテン・イツァ湖に浮かぶ小島であり、グアテマラ最大であるペテン県の県都であり、その対岸にある町がサンタエレ−ナである。フローレス、サンタエレ−ナと共に小ぢんまりしているので、町中を見てまわるのにさほど時間はかからなかった。
その小さな町を一周した後、少し遅めの昼食を摂りながら私達2人は、今まで訪れたことも無いほどの僻地に来たことを再確認しあっていた。土産屋のおばちゃんは、お客に構わず昼寝をしていたりと、とにかく町全体がのんびりとした空気に包まれている。しかし翌日、こんなのんびりした田舎町にもある大事件が起きるのだった。しかしこの話は後ほどゆっくりと・・・。
二日目の朝は普段の朝より早起きをして、遺跡見学の為にしっかりと朝食を摂る。その後ホテルまで迎えに来てくれた若いガイド君とドライバーさんと共にティカル遺跡へ向かう。ティカルまではフローレスから車で1時間ほどかかった。遺跡見学は、鬱蒼としたジャングルの中を歩くことになるが、ハンガーモンキーやトゥカンバード(オオハシ)などの珍しい動物達を目にすることが出来るので、なかなか楽しかった。そのまましばらく歩くと突然ジャングルが開け、大きな神殿が目に飛び込んできた。それは、驚きと感動の瞬間であった。
ティカルにある多くの建造物の中で私が最初に上ったのは、高さ70メートルもあるティカルで(数あるマヤ遺跡の中でも)最も高いIV号神殿だった。この神殿の上から見えるものは、360度樹々に覆われたジャングルだけである。だがその眺めの素晴らしさに、私は感動した。再びジャングルの中を歩き回って、最後にたどり着いたのがグラン・プラザ。この周辺がティカル遺跡群の中心で、I号神殿とII号神殿が向かい合って建っており、その北側にノース・アクアプリス、南側にセントラル・アクアポリスを従えてある。神殿の美しさは言うまでもなく、このグラン・プラザはなんとも感慨深い場所であった。6時間歩き回って遺跡見学終了となったのだが、疲れを感じる暇がないと言っていいほどティカル遺跡は驚きと感動の連続であった。
遺跡見学の後は、楽しく案内してくれたガイド君とドライバーさんに別れを告げてフローレスの町で私達は車を下りた。ひょんな事で町でアルマジロ料理が食べられるということを聞きつけ、「せっかくだから町でアルマジロのお肉でもたべよう!」ということになり、フローレス散策を兼ねてアルマジロ料理店探しをすることにした。夕暮れのフローレスの町を散策しながらカテドラルのある高台へ向かう。その高台からのペテン・イツァー湖の眺めは最高だった。湖を眺めながらフローレスも小さいけれど味のある街だなぁ、などとしみじみ感じてしまった。そしていつの間にか、アルマジロの事は忘れてしまった。
歩き疲れた私達は、夕飯までの時間をあるカフェで暇を潰すことにした。そのカフェでぐったりしていた時に、ある事件が起こったのである。なんと!私達がいたカフェの3軒隣のホテルで火事が発生したのだ。私達が気付いた時には、すでに火の手はかなり進んでおりホテル全体を包んでいた。そのホテルの隣の土産屋では、店内の荷物を運び出す作業が始まっており、野次馬で集まってくる観光客にもその作業の助けを求めていた。暫くすると、地元の人によるバケツリレーの消火が始まったのだが、火の勢いは全く治まらず、立ち上がる炎で電線が焼きちぎれ、一瞬町中が大パニックに陥っていた。そんなところにやっと町に1台しかない(これも驚きだ!)消防車が、狭い路地を縫うように走って来た。消防士による消火作業が1時間たった時点でもまた火の勢いは治まらなかった。とうとう消火作業をあきらめてしまったのか消防士達が、土産屋の荷物を運び出す作業を手伝っているのにはちょっとびっくりした。鎮火し始めた頃にやっと隣町からの応援で来た2台目の消防車が到着した。普段は長閑でのんびりしたフローレスも、この日ばかりはこの大火事の影響で慌ただしい町となっていた。
旅行三日目、カンクンへ戻る朝を静かに迎えた。今思うと、グアテマラで流れる時間のテンポがとても懐かしい。到着してすぐは、全く別世界に飛び込んでしまったような感覚であった。でも旅を続けるにしたがって、町の景色、地元の人との触れ合い、小さな食堂での料理などの全てを気に入ってしまい、今ではまた訪れたいと思っている。マヤのティカル遺跡ではたっぷりと感慨に耽け、フローレスでは大(珍!?)事件に遭遇し、なんとも言えない思いで深い旅になった。
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